私の駅弁今昔

中土佐LOVER

私の駅弁今昔

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 過日、岡山県で行われたマラソン大会に行ってきました。コロナ禍で3年ぶりに開催される大会に胸躍らせながら、特急南風の車内で広げた駅弁。そこには食欲をそそる美味しそうなごはんやおかずが数々並んでいました。と、その時にふと頭をよぎったのが大学時代に上京する際にもお世話になった駅弁です。

 当時は今のようなバライティーに富んだ種類の駅弁は少なく、定番は幕の内弁当で私はいろいろなおかずの入ったこの駅弁を好んで購入していました。今のようなプラスチック容器ではなく、木枠に入った駅弁の薄いふたをあけると、ほのかに木の香が移った金時豆、卵焼き、焼きサバ、揚げ物などが目を楽しませてくれ、ふたについた黒ゴマのかかったごはんも残さず食べながら、次第に減っていく中身を惜しみながら食べたことでした。

 また合間に口にするお茶はペットボトルではなく、細い針金の持ち手のついたプラスチック容器に入っていて、ふたを湯呑み代わりにして飲みました。

 宇高連絡船では、乗船するやいなやうどんコーナーに向かい、厚い衣のついた天ぷらうどんを宇野に着くまでに食べ終えましたが、この連絡船もずいぶん昔に廃止され、天ぷらうどんも懐かしい思い出になりました。

 長年お世話になったポケット時刻表も、ネットの普及による購入者減少のためにこの3月のダイヤ改正で廃止されました。大変便利な時刻表だっただけに、愛用者の私は残念な気持ちです。私の中の昭和の思い出を思い浮かべながら、駅弁を口にした列車内でした。

text:ゴシ太郎 2023.05.18高知新聞 掲載

※文中に登場するお茶。「懐かしい!」と思ったあなた、昭和生まれですね!