よしおさんってだれやねん 今年はどうするよしお

中土佐LOVER

よしおさんってだれやねん 今年はどうするよしお

中土佐町の人々・暮らし

毎年お正月が終わると、中土佐町久礼の漁師町で飛び交う「今年のよしおさん、いつ?」という会話。知らない人が聞くと「よしおさんって誰?」となりますが、「よしおさん」とは、毎年旧暦の1月14日に1年の豊漁・豊作を祈願する中土佐町久礼の伝統行事です。
昔は真夜中の干潮時に行っていたそうで「夜潮様」が現在は「よしおさん」になったようです。※ちなみに今は、昼間の干潮時に行われます。

今年は2月4日、立春の日に行われました。ふるさと海岸へ向かうと、もう漁協関係者や漁師さんたちが切り出した竹の長さを調整して準備中。

組合長さんに「今年も取材させてくださいね~」と軽めに挨拶すると、「風船をまだ膨らませてないき、やってや」とまさかのミッション。
『えっわたし大人になってから風船とか膨らましたことないぜよ』と心の中で思いつつ周りを見ると、「こりゃあ肺がのうなる(なくなる)ぜよ」と言いながら赤い顔をして必死に膨らませるおんちゃんズ。
これはやるしかないと、ふーふーしたけど・・・

これが限界(マジで)
やばい!早く風船をつけなければ、干潮になってしまう~。
そこで脳みそフル回転で閃いたわ・た・し!「始まったら教えて~」と家で暖をとっている寒がりな友に「至急!自転車のポンプ持ってきて!」と電話。

おお!なんということでしょう。スイスイ空気が入るではありませんか!
「よしおさん」の歴史に新たな革命を起こしたことをここに記しておきます。

わたしのファインプレーもあり、順調に風船や短冊が飾り付けられました。

※「押すなよ、押すなよ」ではありません。
干潮が近づいて潮が引いてくると、波打ち際に杭を打ち立てます。

杭に竹を括り付けます。

周りに小さな竹も取り付けて完成!

お酒や魚、お菓子を供えてひとりずつ祈願し、行事は終了します。

そして、ここからが注目!
「よしおさん、どちらに倒れるか問題!」
波打ち際に立てた竹が、波や風にさらされて倒れた時、海側なら「豊漁」、浜側なら「豊作」とされています。例年「かつお祭」の頃(久礼の人は5月頃のことをこう言う)には倒れることが多いですが、昨年はふるさと海岸が工事中で、堤防に囲まれたところに立てたので半年過ぎても倒れず、高知新聞の記事になるという前代未聞の出来事がありました。

※その後、台風がきて無事に倒れました。

さあ!今年はどうなる!どうするよしお!


text:こじま

【追記】
 今年はなんと3月9日に、浜側へ倒れました!早いっ
 町内では「よしおさんが倒れた」っていう話でもちきりですが、町外の方が聞くと誰かが倒れたのかと思ってびっくりですよね。